コロナは色々なところに悪い影響をもたらしましたが,そのおかげで自分の家でTOEICの勉強がしやすくなったことも確かです。
AIを取り入れたような各種オンライン教育が充実してきたことに伴い,自宅で勉強を行う時間は一気に伸びましたが,コロナ騒動が落ち着き出し,経済が回り始めた今においても,それらサービスの多くは停止されることもなく,そのままの状態で利用できます。
とはいえ,自宅で行う学習には良い点もあればマイナスとなる要素もあることには注意が必要です。
自分がかつて中学生や高校生だったときのことを思い出してみてください。
宿題を家でやったときに遭遇したであろう多くの問題は,大人になってからも相変わらず厄介なものであるわけです。
ここでは,家でTOEICの勉強をする際のメリットとデメリットについて,IIBCがテレワークをしているビジネスパーソンを対象に行った調査結果を基に考えてみることにしましょう!
目次
コロナ禍で変わった家での勉強環境
まず最初に,私が教えている塾に来ている中高生の話をさせてください。
コロナが発生してまだまもない頃,多くの学校や予備校が急遽休みになったわけですが,その連絡を受けた生徒たちの反応は様々でした。
と明るく振舞っている子もいれば,
と不安な気持ちに駆られてしまった生徒もいました。
ですが,私にとって最も印象的だったのは「家に籠って勉強漬けの日々が送れる!」と喜んだ受験生たちです。
ピンチをチャンスに変えるといった発想ができたことはもちろん,今や学校に頼らずともそれだけ家で学びやすい時代になっていることに驚きました。
お気楽に物を考えすぎて危機感のなさを露呈してしまうようでは問題も起こるのでしょうが,物事をポジティブに捉えることは多くの場面において有効です。
さて,こういった前向きな姿勢はビジネスパーソンにおいても例外ではなく,コロナ禍でテレワークを強いられた方の中にも見て取れました。
先のIIBCの調査結果によれば,普段英語を勉強している人の61.5%が勉強時間を増やすことに成功し,コロナがきっかけで英語を勉強することに決めたか実際に行動に移した方が全体の27.6%いたそうです。
通勤に時間を取られているような方ほど享受できるメリットは大きかったのでしょうが,自由に使える時間が増えたからと,すぐに新しいことに挑戦したり自分磨きをしようと思えた時点で,それは誰もが見習うべき立派な社会人の態度のように思われます。
とはいえ,TOEICで成果を出すためには最低でも数ヶ月間はそのやる気を継続しなければならず,嫌でも受験日が来てしまうような学生時代と異なり,社会人の学習は基本的に強制されてやるものではありません。
何にでも取り組むことができると言えば自由でストレスフリーに思えますが,逆にいつでも自分の自由意志で簡単に止めてしまうこともできてしまうわけです。
とはいえ,一度決めたからにはある程度の結果を出して,今後別のものに取り組む際の頑張りに繋げるのが理想でしょうし,予め,自宅学習のメリットとデメリットについて知っておけば,その強みを生かしつつ,困難な状況に陥ったときであっても比較的冷静に対処できます。
といったわけで,まずは次章でメリットについてみていくことにしましょう!
家でTOEICを勉強するメリット
英語を勉強しているビジネスパーソンの多くは自宅での学習に満足しており,先の調査結果によればその割合は65.8%となります。
この数字からわかることは,自宅というのは勉強場所として相応しいものであり,そこでの学習を成功させることこそが,TOEICでスコアアップを達成するための鍵になるということです。
以下に自宅学習のメリットを箇条書きにしてみましょう↓
- 勉強時間が多く確保できる
- 人によっては集中しやすい
- マイペースで学習できる
- 利用できる教材が多い
- オンラインで外国人と簡単に話せる
自宅を勉強場所に選ぶ最大のメリットは移動する必要がないことであり,勉強時間は自然と多くなります。
「勉強は量より質」という意見にも一理ありますが,TOEIC学習にマイナスとなるような教材で勉強することは滅多にありません。
少なくとも,当サイトで紹介している教材であれば,どれを用いても実力はアップさせられるはずです。
もちろん,教材の質や本人との相性によって,スコアの上がり幅に差は出てくるでしょうが,聞き流していれば自然と英語ができるようになるとか,YouTubeでたまに見かけるような「外国人の私が英語を身に付けた方法」のような動画(要は日本人の現状を理解していない指導法)で学ぶようなことをしない限りは,スコアアップの妨げになるものはありません。
そして,1つの教材に費やす勉強時間が多くなるほどに,TOEICのスコアはその分大きくアップするでしょう。
ただし,自宅での集中のしやすさというのは人によって感じ方が違うもので,
といった社会人は必ず出てくるはずで,現に次章でデメリットとしても挙げています。
とはいえ,最初は家でまったく集中できなかった人でも,しばらく我慢して勉強を続けていくと,次第に集中できる体質に変わってくることは確かです。
こちらについては,次章で語る内容も参考にして,集中力を増す方法を自分なりに考えてみてください。
決められた時間内に授業が行われるわけではありませんので,マイペースで学習できるところは自宅学習の明らかなメリットと呼べるはずです。
先の予定がわからなかったり,突然,会社の用事が入ったりすると,予約を取って通うような学習形態のところだと厳しいように思います。
加えて教材の種類についてですが,コロナ禍においてはTOEICの公式サイトで模試が無料で受けられた上,その解説まで確認できてしまうサービスが提供されたことは記憶に新しく驚きでした。
これは期間限定のものだったため今ではそのサービスも終わってしまいましたが,その他企業から,AIを搭載したアプリを中心に,zoomなどを介したオンライン形式で,簡単に外国人と会話できるサービスはますますストレスなく使えるようになってきています(今では中高生の授業でも当たり前のようにオンライン英会話が使われるようになりました)。
TOEICのL&Rテストを受けるからと,話すや書くことをまったくせず,ただ教材をインプットするだけでなく,英語をアウトプットするような場面も週に何回か設けることをおすすめしますが,これは特に高スコアを狙う方ほど必要な態度として覚えておきましょう!
家でTOEICを勉強するデメリット
次に,自宅でTOEICを勉強する際のデメリットとして挙げられているものについて紹介しましょう↓
- やる気が続かない
- 勉強法がわからない
- 集中ができない
- 成長が実感できない
- 疑問点を解消できない
- 対面で授業を受けられない
これらが理由で,自宅でのTOEIC学習を断念する可能性が高くなることになるわけですが,強い目標がないとやる気は続かないものです。
最後まで,最初の頃のやる気を維持し続けることは困難ですが,どんなにやる気がないときであっても,勉強を全くしない日を作らないよう心がけましょう。
なお,この点についてはTOEICで結果を残す人が実践しているコツの記事に詳しく書きました。
続いて,2つ目のデメリットとして挙げた勉強法ですが,これまでにあまり勉強してこなかった人ほど,選べる方法が少なく我流になりがちなので,今まで自分が行ったことがないような勉強法についても積極的に取り入れてみるようにしてください。
単語帳を使う場合であっても,1日に10個ずつ完璧に覚えていく方法と,9割は忘れてしまってもよいという方針で1日に100個の単語に触れるような勉強法では,かかる時間は変わらずとも,忘れずに覚えておける単語数に差が出てくることになります。
3つ目ですが,自宅で勉強に集中できない理由としては,どうやら自分の内面に問題がある(すぐ気が散ってしまうなど)場合と,周りの環境に問題がある(子どもの世話をしないといけないなど)場合の2つがあるようです。
前者は自分の意思で克服できますが,後者は他人の力を借りるなどしないと難しいように思われます。
とはいえ,メリットの章で「集中しやすい」という声があったことや,外に行かずに自宅だからまだなんとかなっていることもあるわけで,自宅で問題を抱えている方が,スクールに通うような選択肢を取ることはより考えにくいでしょう。
ところで,すぐ上のコツの記事でも触れたように,自分の成長が実感できないことは学習の継続を妨げる大きな要因となります。
そのため,自分の頑張りを第3者に指摘してもらったり,少なくとも,客観してできるようなデータを取っておくことは必要です。
例えば,勉強時間や途中で模試を解いたときのスコアを記録しておくといった工夫ができるのではないでしょうか。
デメリットの最後に挙げた「対面で授業を受けられない」という点については,たとえビデオ通話を介して学習を行っていても,リアル対話の空気感を感じ取れないわけで,これは自宅学習が苦手とする部分です。
家でのTOEIC勉強を成功させるために
以上の内容をふまえると,上で挙げたメリットをできるだけ多く享受しつつ,デメリット部分を払拭できるような勉強法を採用することが家でのTOEIC勉強を成功させるために考えるべきこととなります。
例えば,自宅で学習する以上,やる気の波に左右されることは避けられないので,一日のノルマは勉強量よりも勉強時間で計測するようにし,自分のペースでわからないところは調べながら学習を進めていくのがおすすめです。
信頼できる企業の良質な教材が見つかったのであれば,もちろん利用を検討してください。
複数個の教材を組み合わせて使うようなことも十分に考えられます。
また,ずっと同じ教材セットで学び続けていても飽きてしまうので,平日と休日で勉強内容を変えてみるのも,マンネリ化を防ぎ,やる気のアップに繋がるはずです。
大人の学習は,何も中高生のように苦しい思いばかりをする必要はありません。
一定ライン以上頑張ったらご褒美タイムを設けるなど,大人ならではの資金力も役立てていきましょう!
より具体的な教材を挙げるのであれば,オンラインサービスを使う際は楽しくトレーニングが行えるような工夫が施されているものを選ぶようにし,対面授業が好きな方であれば,直接会うのとは違うところがあるにしても,オンライン英会話をまずは試してみてください。
加えて,疑問点を質問できるコーチングや添削に,チャット機能を利用できるオンラインサービスも最近では登場してきています。
そして,モチベーションを維持するためにもTOEICを半年に一度は受験するようにし,スコアアップができているのか確認してください。
TOEICではこれだけの時間数勉強すればこれだけスコアが上がるはずだという勉強時間が知られていますが,これまでの勉強時間が目標に到達していなくても受験して構いません↓
数十点でもスコアが上がっていれば,「自分の勉強は間違っていなかった。努力は報われるのだ」と嬉しくなるものです。
本記事で挙げたメリットやデメリットの中から,自分のTOEIC学習で課題になりそうなものをチェックしては,最も改善しやすそうなものから1つずつ対策してみてください。
そんなときの参考になるよう,当サイトでは勉強法のカテゴリで様々な記事を紹介しています。
闇雲に勉強するのではなく,自分なりの方法論を持って行う方が,人生の糧になる確率は高いです。
みなさんの自宅学習が上手くいくように祈りつつ,締めの言葉とさせていただきます。
最後までお読みいただきありがとうございました。