今回は,英語で日記を書きたいときに役立つ「英語日記パーフェクト表現辞典」のレビューをしていきたいと思います。
辞典とタイトルに入っていますが,参考書のように文法や構文の解説も見られる他,表現が身近で馴染みあるものが多いため,適当にパラッと読んでみるだけでも英語の楽しさに触れられるところが特徴です。
「今日の入浴剤は桜の香りにした」という緩めの例文から,TOEICのS&Wテストにも使えそうな「うちの社も,もっとグローバル化を進める必要があるだろう」というお硬い表現まで,これまでにあまり使うことがなかった表現を幅広く学ぶことで,変わった角度から英語力アップを目指すことができます。
生成AIが登場し,気持ちを簡単に英語に翻訳してもらえる時代になりましたが,基本となる表現(正解となる表現)は本から学ぶことは変わりません。
それでは実際のテキストを使って,具体的にレビューしていきましょう!
もくじ
英語日記パーフェクト表現辞典とは

基本情報
書名:英語日記パーフェクト表現辞典 改訂版
著者:石原真弓
定価:2794円
出版社:Gakken
初版:2023年9月
ページ数:804ページ
対象:初級~上級者
これだけのページ数を誇りながらも値段が3000円を切っているので,中々にお得な印象を受ける一冊です。
日記と聞くと短文のイメージがありますが,単文であってもそれを何個も繋げれば立派なエッセイになりますし,頭に浮かべた表現を書く代わりに口に出すようにすれば英語での会話が成立します。
後述しているように,本書では語句の細かいニュアンスについても書かれているので,より深く文章を理解することができ,ひいてはリーディングスキルの上昇にも繋がるでしょう。
英語日記パーフェクト表現辞典は主に3つの章から構成されますが,辞書のようにただ表現が並んでいるだけでなく,前半に英文法や構文の項目があります↓
- 英語日記に役立つ文法
- 英語日記でよく使う構文
- 英語日記フレーズ集
これにより,参考書のように読むことで幅広く英語力の底上げができるわけです。
内容は英語日記に関連するものに限られますが,その中心を占める時制や複数形といった文法項目は,英語を使う上でほとんど避けては通れません。
次章から,本書の中身を詳しくみていくことにしましょう!
文法の解説ページ

本書で扱う文法事項は全部で14個あり,複数形や冠詞の解説から始まり,ライティングで間違いやすい時制の他,助動詞や不定詞,関係代名詞などが解説されています(上の目次は改訂前のもので,改訂版は第1章ではなく第2章で扱います)。
自力で日記を書く際は,間違いを気にせず楽しむことを優先すべきですが,かといって,こうした文法を学び,正しい英語を書けるようになるための練習が不要という結論にはならないでしょう。
もっとも,本書が扱う内容は基本的なものが中心かつ解説はシンプルなので,学生時代に習った内容であればすぐに思い出せると思います↓

加えて,本書では至る所にまとめのページが設けられています。
これが実に便利で,前置詞や動詞の活用形,さらには文の繋がりをスムーズにする言葉が気に入りました↓

本書に載っている語句に精通できるだけでも,理路整然とした文章がかなりの量書けるようになると思います。
例文は日記で書くような内容に限定されていて,親切だなと思いました。
構文の解説ページ

英語日記パーフェクト辞典では構文も扱っています。
改訂版では第3章で行っていますが,英語で日記を書く際に使いやすいキーフレーズのような型を身に付けるためのもので,収録されている構文の数は全部で74個です。
技術的な話になりますが,英文を書く際,同じ構文を続けて使うと幼稚な印象を与えてしまいます↓
幼稚な例文
I had to work overtime today. I had to reply to 50 emails. I went home at midnight.
本書で色々な表現を学び,深みのある文章を書けるようになりましょう↓
工夫した例文
Today I had to work overtime to respond 50 emails and finally got home in the middle of the night.
本書の解説は教科書的な内容に留まらず,さらに一歩踏み込んだものとなっているため,これまで同じに捉えていた表現の違いも学ぶことになり,自分の気持ちを正しいニュアンスで伝えられるようになるわけです。
例えば,「義務」を表す表現1つを取ってみても,以下のような6つの表現を使い分けられるようになります↓
- I have to~
- I must~
- I need to~
- I've got to~
- I should~
- I'd better~
これらの表現をただなんとなく使っている人は少なくないのではないでしょうか。
実際私がそうだったわけですが,例えば最初のhave toとmustの違いを本書の言葉を使って解説してみると,前者は周りの状況(必要性)から「~しなければならない」という意味合いであるのに対し,後者は主体的に「~すべきである」と感じる時に使うとのことです。
英語日記フレーズ集

本書で7割近くの分量を占めるのは「英語日記フレーズ集」です(改定後は第1章で扱うようになりました)。
ここには,日常生活を英語で書く際に使える表現がテーマ別にまとめられています。
ただし,約15000語という膨大な量が収録されているため,最初から1つずつ学んでいくわけにはいきません。
そのため,先の画像に出ている目次だったり,巻末にある索引を上手く利用するようにしましょう↓

日記らしい面白い表現が多数収録されているので,何となく読んでみるだけでも
これは是非使ってみたい!
と思う表現に出会えるでしょう。
私は,以下のような表現を学生の時に教えてもらえていれば,もう少し興味を持って学習できたのにと思いました↓

日記以外に,会話やメール内で使える表現も多数収録されているので,ビジネス英語やTOEICのS&Wの対策にも役立つはずです。
まとめ
以上,石原真弓氏による英語日記パーフェクト表現辞典のレビューでした。
辞書的な内容に留まらず,文法や構文の読み物を含めたことで参考書として利用することもでき,日記にそのまま書ける楽しい例文が豊富なため,長い間,飽きずに勉強することができます。
それこそ,初心者から上級者まで幅広く使えるので,現在の英語力に関係なく多くの人に役立つでしょう。
一般的に「ライティングができるようになるとスピーキングができるようになる」と言われますが,相手との会話中に沈黙の時間が生じないよう,本書で学んだ表現がすぐ頭に浮かぶ状態にしておくことは重要です。
本書にはどのように学んでいけばよいかのヒントも載っていますが,まずは一日一文を心がけ,スケジュール帳の余白に書いてみるかSNSで呟いてみましょう!
書く内容に困った際は,ことわざや信条の中から1つ選ぶだけでも構いません↓

書いたものを眺めると,なんだかモチベーションが上がってくるはずです。
このようにして,ある程度英語が書けるようになってから,生成AIでより多くの事柄を学ぶようにするのが良いでしょう。
自然な言い回しに慣れていますし,文法の整合性を取れるだけの実力がすでに身に付いています。
いずれにせよ,英語で日記を書くことが気になっている方は,是非このパーフェクト表現辞典を手元に置いて学んでみてください↓
最後までお読みいただきありがとうございました。