今回ですが,TOEICのリーディングセクションを攻略するのにぴったりな,ヒロ前田氏による「究極のゼミPart7」をレビュ―していくことにしましょう!
本書に収録されている大量の問題(254問)をこなすことで,実際の公開テスト(54問)がずっと楽なもののように見えてきます。
本書の購入を考えている方はこのレビューを参考に,ご自身の求めるPart7対策が可能になるかどうか判断してみてください。
もくじ
究極のゼミPart7の基本情報

基本情報
名称:TOEIC L&Rテスト究極のゼミPart7
著者:ヒロ前田
出版元:アルク
出版年:2017年5月
定価:2420円
ページ数:467ページ(別冊含む)
DL:音声+マークシート
2018年の時点で50万部を突破していた「TOEIC究極シリーズ」に属する本書で,L&R以外にスピーキングテストのものもありますが,こちらはPart7対策に特化したものです。
そのページ数からもわかるように,新形式に対応しているTOEICのリーディング対策本のうち,最高レベルの問題量を誇ります。
加えて,設問の種類(文脈をもとに解くものやNOT問題など)や英文形式が豊富なところも本書の魅力です。
後述しますが,解説も独特で,読みにくさを感じにくい仕様になっているのでお楽しみに!
なお,アルク社の書籍ということで,boocoで音声を無料で聴いたりマークシートを利用できたりもします。
目次は以下のようになっていました↓

1回あたりの学習課題は「ゼミ」と呼ばれ,それが全部で15回分あります。
その内訳はPart7を設問タイプ別に解説したゼミが11回分,そして取り組み方や不正解の見抜き方などのその他にあたるテーマ分が4回分です。
「1日に必ず1つのゼミを終わらせる」などと決めて実行すれば,全部で2週間ちょっとで終わりそうですが,実は本書には別冊も存在しており,実際の公開テストと同じ問題数からなる模試(ただし収録はPart7のみ)が計2回分付いています。
これにより,単純に問題量が倍近くにまで跳ね上がり,具体的に述べると,この1冊で解くことができる問題数はゼミを通しての146問と,ミニ模試2回分の108問の計254問となり,これは実際の模試を4~5回分解いた量です。
これだけの量を解けば,さすがの長文問題であっても苦手意識がだいぶ薄れてきます。
究極のゼミPart7の特徴
それでは,中身をみながら本書の特徴を紹介していきましょう!
まずは全15回分のゼミを使って,Part7のスコアアップに役立つ知識とテクニックを習得するところから始まります。
各ゼミは,
- 講義
- 例題
- 練習問題
- トレーニング
の4つから構成されており,段階的に学習していくことが可能です。
ここでは「第2回」のゼミを例に取り上げてレビューするので,1回分の目安にしてください。
最初の3ページは講義形式となっており,1つのテーマについて学んでいきますが,ここでは「細かい情報を問う問題では,設問にあるキーワードを検索しながら解く」というテクニックを身に付けることが目標です↓

ここに本書の特徴を1つ見つけられるのですが,解説が対話形式になっています。
昔,「実況中継」という名を冠した大学受験の参考書が流行ったことがありましたが,実際に著者が語りかけてくるような文章には親近感がわきやすく,気楽に読み進めていけるところが魅力です。
次に出てきたのは例題で,先の講義内容を理解しているかどうかが問われます↓

本番と異なり問題が1問しかないことからも分かるように,例題は確認の意味合いが強いです。
気楽に解くようにしましょう。
解き終えたら解答・解説をみますが,いくつか目についた特徴を挙げると以下のようになります↓

- 解答に至る根拠が青マーカーで示されている
- 解説が工夫されており,語句の解説もある
- 語注や全訳も完備
解説のコーナーにおいては,普通の解説があった下に「ゼミ生中継」という項目が設けられ,ここでも対話形式で補足が為されるので理解の助けとなりました。
3つ目は練習問題になりますが,第2回のゼミでは2つの英文が存在し,それぞれに3~4問の問題がついています↓

こちらは例題と異なり,本番と同じ構成です。
しかも制限時間が設定されているので,時間内に解かなければいけないという緊張感が生じます。
なお,こちらは第2回のものではありませんが,例題と練習問題の間に「トレーニング」が入る場合もありました↓

これは短めの英文を使って設問の解き方を学ぶために行う特別な問題で,適宜登場してきます。
以上の内容を整理すると,1回あたりのゼミは,
- 講義が3ページ
- 例題は英文1題に問題1つ
- 練習問題は英文2題で問題数は7問
- トレーニングが入ることもある
といった構成です。
分量的に,1日に1つは十分進められます。
ちなみに,これまでにTOEICのPart7の問題分析をした経験がある方は,以下のテーマにピンとくるかもしれません↓↓

NOT問題やマルチプルパッセージ(DPやTPと表記),情報分散型などの厄介なタイプの問題も含まれているので,ご心配なく!
なお,別冊のミニ模試には本番と同じ形式の問題が2回分用意されています↓

Part1~6の問題は一切なく,あくまでPart7に特化したものですが,解答解説には選択率(正答率)の表示があり,本書のゼミで解説された問題タイプまで書かれているので,難易度の把握や復習がしやすいのが特徴です。
さらには「弱点問題タイプ診断」まで用意されており,出来を記入していくだけで,自分はどういった能力が弱いのか(例えば文脈から推測する力が弱い)の判断ができたり,今後の学習方針が定まりやすくなります↓

分析ができるものだと他にZ会の分析!解決!TOEICテスト模試が知られていますが,解いた結果を基に何らかのアクションが取れる本は人気になりがちです。
まとめ

以上,ヒロ前田氏による究極のゼミPart7のレビューでした。
学習者のコメントがいくつか帯に書いてありましたが,今回私が感じた本書の魅力は,以下の点にあるように思います↓
- 対話形式が加わり,詳しくてわかりやすい解説
- Part7の問題を全部で256問解ける
- ゼミは1日に1つ終わらせられる分量
- 講義形式やトレーニングなどメリハリがある
- 公開テスト2回分のミニ模試付き
- 問題タイプまで学べて分析力が高まる
- 弱点問題タイプ診断で今後の学習指針が定まる
TOEICのリーディングセクションでは,Part7を最後まで高い正答率のまま解き切ることが高スコア取得の鍵となってきます。
是非,この究極のゼミを活用しては設問のタイプ別のコツを学び,たくさんの問題に触れて慣れることで,しっかりとした対策をしてください↓
最後までお読みいただきありがとうございました!