今回ですが,神崎正哉やTEX加藤といったTOEIC界で名前をよく目にする著者による「読解特急2スピード強化編」をレビューさせていただきます。
本シリーズの「特急」というタイトルには,1~2駅分の集中力をもって問題に取り組むという決意と,読解スピードを特急ばりに上げていこうという意気込みが込められているのでしょう。
リーディングパートを攻略するためには,何と言っても最後の長文の攻略が欠かせません。
そしてこの読解特急がターゲットにしているのはまさにそのパート7だということで,一体どのような方法でもって学んでいくことになるのか,これからみていきましょう!
目次
読解特急2スピード強化編とは
- 名称:TOEIC L&R TEST読解特急2スピード強化編
- 著者:神崎正哉,TEX加藤,Daniel Warriner
- 出版年:2018年2月
- 出版:朝日新聞出版
- 価格:836円
- ページ数:255ページ
- 音声:ダウンロード可(スマホ&PC)
本書は2010年9月に発売された「新TOEIC TEST読解特急2スピード強化編」を,2016年の新形式に合わせて改題したものです。
大きさ的には文庫本サイズなので持ち歩きやすく,外でやるのにも向いています。
ただし,「スピード特急」という名が付いている通りストップウォッチは手放せません(後述)。
また,シンプルな作りにするためシングルパッセージの問題しかないことには注意が必要です(マルチプルパッセージを扱うものは読解特急の5と6になります)。
音声用のCDは付いていませんが,スマホの場合はabceedのアプリを使うことで音声をダウンロードできますし,パソコンでする場合は朝日新聞出版のHPからダウンロード可能です。
以下はスマホで音声を再生しているときの様子ですが,それ以外にもアプリで答えを入力して自動採点してもらうことができます↓↓
やや細かい使い方になってしまいますが,英語本文を見ずに音声と質問だけを用いることで,リスニングパートの対策に利用することも可能でしょう。
本書の特徴についてみていく前に,まずは目次を確認しますが,
- 進歩の軌跡編
- スピード・リーディング・トレーニング編
のように大きく2つに分かれていることがわかります。
とはいえ前者は自分のトレーニングを記録するための資料にすぎず,わずか10ページからなるちょっとしたものですから,メインコンテンツは明らかに後者の方です。
ページ数にして200ページ超のボリュームを誇ります。
1つの英文につき設問が3つあるので計90問です。
つまり全部で30個の英文に触れることになります。
それでは,次章でこれらの細かい特徴についてみていくことにしましょう。
読解特急2の特徴
先述した持ちやすさなどもありますが,特に目を引く本書の特徴としては,
- 自分の成長が視覚化できること
- 読む速度がアップすること
- 気楽に学べること
の3つが挙げられます。
以下で1つ1つ説明を加えましょう!
成長が視覚化できる
最初の10ページには,本書の使い方に加え,上のような記録用ページがあります。
これは1分あたりに何語読めたかを記録するためのものですが,このように自分の読解速度を毎回記録しなければいけないとなると,嫌でも時間を意識しますし,逆に言えば「速く読もう!」という気持ちに焦らされることになります。
確かに大変ではありますが,ストップウォッチでかかった時間を測るだけで実際の本番と同じ状況を作り出せるわけです。
加えて,自分の速読力を記録しグラフにすることで自分の成長度合いが明確化されることになりますから,TOEIC学習のモチベーションも上がるのではないでしょうか。
読む速度が上がる
本書の利用方法は,基本的に以下の3ステップを踏むこととなります↓↓
- 読む時間を測る
- 問題を解く
- 1分当たりの語数に換算して記録する
計算方法に関しては,本書の10ページに計算表が掲載されているため,時間だけをストップウォッチなどで測れば簡単に算出できて便利でした。
このとき秒で計算するのがポイントです。
ちなみに本書にある英文はすべて語数が120~160語に調節されていて,問題ごとに差が出にくいように工夫されています。
例えば以下は大問の1になりますが,左ページの上部に総ワード数が「119語」と出ているので,これをもし45秒で読むことができれば,119÷45×60=159語/分のスピードで読めたことになるわけです↓↓
TOEICでは1分で150語を読むのが1つの目標になっているので,早く読む意識を持って取り組み,1題1分以内というスピード感に慣れておくことで,本番でも知らず知らずにその速度を維持できるはずです。
気楽に読める
解説やところどころに出てくるコラムには,TOEICのプロである著者らの意見が会話形式で登場します。
この本を最初から最後まで読むだけで,高スコア取得者がどのような解き方をするのか,いろいろな観点から学ぶことができるのが良いですね↓↓
概してこういうトーク形式の解説というのは無駄な話が多くなり,量がある割に得られる情報が少ないことになってしまう参考書も多いのですが,本書では重要ポイントばかりをまとめてくれているので,スコアアップに役立つ知識が多く見つかるように感じます。
その他にも,頻出語句は詳しく,語注は豊富で応用事項も載っていて語彙力の強化に役立ちました↓↓
まるで単語帳のようにも見えますね。
そして言うまでもなく,設問も含めた全ての和訳が確認可能です↓↓
最後に右下にある記録欄に実施日とタイム,そして1分間に読めた単語数などを書き込み,1日のノルマはめでたく終了となります。
やることはシンプルで,大変取り組みやすかったです。
まとめ
以上,読解特急2スピード強化編のレビューでした。
TOEICが新形式になって,パート7を代表とする英文読解問題を解く際にはかなりの速読力が求められるようになりました。
加えて,問題を解くために読み取るべき内容は,テクニックで何とかなる場合もたまにはありますが,やはり文章全体の大意を素早く正確に把握することで,初めてはっきりと見えてくるものです。
それができるようになるためには,とにかく多くの英文を読み,それもただ闇雲に読むだけではなく,制限時間を設けながらしっかりとした解説がある素材を使って練習をする必要があるのでしょう。
本書はそういった学習用途に適しており,興味のある方は積極的に使ってみていただきたいと思います。
どこで言うか最後までわからずじまいでしたが,値段も安いですよね(笑)
なお,先に少し触れたように,2以外にも色々なバリエーションが出ている読解特急シリーズなので,色々と探してみてください↓↓
最後までお読みいただき,ありがとうございました。