今回は通信教育で有名なアルク社の教材から「TOEIC L&R TEST完全攻略800点コース」をレビューしていきたいと思います。
本シリーズには,400点を目標とする超入門コースから900点コースまで全部で6つが含まれますが,人気が高いものの1つがこの800点コースです。
どのような教材を使い,どういった学習スケジュールで進めていくことになるかについて,購入前に当記事で確認してみてください。
なお,アルクのTOEIC通信講座の一般的な特徴は,以下の記事にて解説しています↓
もくじ
アルクのTOEIC完全攻略コースの教材内容
アルクのTOEIC完全攻略コースはそれ1つで完璧な対策が可能になるのが特徴で,送られてくる教材のセット内容は以下の通りです↓
- コースガイド1冊
- テキスト5冊
- テストブック1冊
- ワードブック&リーダーズ1冊
- マンスリーテスト41冊
- ファイナルテスト1冊
- 音声教材
それでは以下で一つ一つみていきましょう!
コースガイド
まずはコースガイドを紹介します。
20ページからなる薄い冊子ですが,各教材の進め方が細かく書かれているため,使用頻度は意外と高めです。
毎日やる内容については,次に紹介するテキストブックにも記載がありますが,本書では「どんな目的のために問題を解くのか」という目的意識が書かれているので,日課に慣れるまでの間は毎日開いて確認するようにしましょう↓
TOEICを市販の参考書を使って独学しようと思うと,どんな教材をどのタイミングで使うかが悩みどころですが,このようなガイドがあることで,方針が定まらないままに無駄に時間だけが過ぎてしまうことを避けられます。
ある意味,オールインワンの教材にこのコースガイドが加わって初めて,教材名にある「完全攻略」が可能になると言えるでしょう。
それくらい貴重な1冊です。
テキストブック
全5冊からなるテキストブックは,日々の学習の中核を担う存在です。
こちらも冊子は大きめで,30cm×21cmほどとなっています。
量はテキストごとに異なりますが,110~150ページです。
ちなみに,本コースのテキストは5冊ですが,これは「5ヶ月」という標準学習期間と関係があります。
つまり,1ヶ月に1冊のペースで終わらせるカリキュラムが組まれているからで,これは他のコースでも同じです。
その証拠に,学習期間が4ヶ月の700点コースでは4冊,そして3ヶ月の600点コースでは3冊のテキストブックがセット内容に含まれています。
テストブック
231ページからなるテストブックですが,先のテキストブックを参考書と見なすのであれば,こちらは問題集的な位置づけです。
後ほど,勉強の進め方を解説する際に詳しく触れますが,アルクのTOEIC通信講座では,平日にやった範囲の復習を兼ねて,週末に本書に収録されているミニテストを解くことになります。
そのときの問題数はPart1とPart2が2問ずつ,その他のパートは3問ずつの計16問となり(ただし,Part6の問題はありません),週のテーマに沿った出題です。
本番は200問ですから,10分の1以下の量にあたり,時間にして10分程度で終わるでしょう。
まだ実力が付いていない時期に,このくらいパッとチェックしてもらえることがどれだけ有難いかは,取り組んでみるとすぐに実感できるはずです。
それ以外にも,1~3ヶ月目の月末にやることが予定されているミニ模試(問題数は50問ほど)もあります。
ワードブック&リーダーズ
180ページからなる,少し小さめサイズの「ワードブック&リーダーズ」ですが,前半は全768語からなる単語帳になっており,後半は1分程度で読むことができる32個の英文集です。
こちらは,サブテキストとして通勤や通学時に持ち運ぶ用途に適しており,1日にやるべきノルマが定められています。
結果としては,最初の3ヶ月をかけて前半のワードブック(単語帳)の部分をこなし,後半2ヶ月でリーダーズ(以下の画像参照)をやりましょう↓
何をやるかが明確なので着実に進めていけますし,1回にやるべき量はさほど多くないので,スキマ時間に勉強できるところが魅力です。
各種テスト&音声教材
最後は3つまとめて紹介してしまいますが,4ヶ月目と最終月に取り組むフルサイズの模試が2つと音声教材もあります。
テストはどちらも本番と同じ形式(2時間で200問解くもの)となっていて,仕上げとして用いることで,本番の予行演習になるわけです。
なお,本コースは現在,JMAMの他,STUDYINGという通信講座での提供もあり,後者においてはここまでの教材内容が以下のような形に生まれ変わり,アプリ形式での学習ができるように作り替えられています↓
とはいえ,よくみてみると,例えばリーディング演習の32回はリーダーズのものと同じですし,週1回の演習テストはミニテストに相当するなど,共通部分が見えてくるわけです。
しかし,料金は安く提供されているので,今購入するのであればSTUDYINGをおすすめします↓
TOEIC完全攻略コースの進め方
それではTOEIC完全攻略800点コースの進め方についてみていきましょう!
大まかな流れは以下の通りです↓
- 確認書と教材一式が到着
- 学習プランを作成
- 毎月学習し,マンスリーテストを提出
- ファイナルテストを提出
- 受講修了書が到着
アルクは2022年12月に本コースの販売を終了しており,現在はJMAMが同サービスを提供していますが,提出がWebからになるなど,当時とは多少サービス内容が異なることに注意してください。
教材は,前章で紹介した7つすべてが一度に届くので,標準学習期間(5ヶ月)に囚われずにどんどん進めていくような使い方も可能となりますが,ここではモデル学習プランに従って解説していきます。
1週間を基本単位として計画されており,週の最初の4日間はテキストブックを使った学習です。
具体的な手順ですが,まずはWarm-upにある単語を学びます↓
ここに載っている単語はすべて,ワードブック(画像右)にも収録されているのですが,そちらの方が,発音記号や赤文字表記などの点で詳しくなっていました。
続けて,Stage1~3をやっていきますが,Stage1ではPart1や2で役立つ表現力を学び,Stage2ではPart5と6で登場する問題を通して英語の瞬発力を高めることが可能です↓
模試ではなくトレーニングですから,出題形式は本来の選択式ではなく記述式となっています。
こうすることで負荷が増し,TOEIC800点のレベルにより近く改題されているというわけです。
Stage3ではリスニングやリーディング問題がバランスよく配置され,要約問題も解くことになりました。
これらにより,難易度の高いパート(3・4・7)で高スコアを取るための速解力が身に付くことになります。
続けて解答を確認していくことになりますが,解説や和訳以外に,赤シートや音声教材などを使って,リピーティングやシャドーイングといったミニタスク(大体10分でできる練習)を行いましょう↓
ここにある「読み方のツボ」というコーナーは,TOEIC攻略に大変役立つ内容で,私は毎回楽しみにしていました。
上の例ですと,
電話会社は利用者獲得のため,さまざまな料金プランを打ち出す。flat rate(定額料金)を払うことで一定の条件下で無制限に通話できるunlimited callは典型的なパターン。local call(市内通話)とlong-distance call(長距離通話)では,異なる料金体系が適用される場合もある。
と書かれており,読むだけで,単語や知識量が自然と増えていくわけです。
4~5ヶ月目のテキスト内容は,これまで以上に高度で実践的なものへと変わります↓
ここでは,「スキャニング」という上級の読解テクニックや「頻出テーマにおけるリスニング力の強化」について学ぶことができました。
5日目にはテストブックにある「Weekend TOEIC」という確認テストを行い,月末には50問のミニ模試を解くことで,本番同様の形式に慣れることができます↓
今は利用できませんが,当時,テストの提出は受講者限定サイトを通して行うのが基本で,採点結果やアドバイスが確認できる他,わからないところがあった場合にメールフォームから質問をすることが可能でした。
ちなみに,1日の課題をこなすのにかかる学習時間は60分ほどです。
まとめ
以上,アルクのTOEIC完全攻略800点コースを例に,教材の種類とその進め方についてみてきましたが,いかがだったでしょうか。
使ってみるとその親切設計に早速驚かされましたが,1日にやるべき内容が明確なので,コースガイドに書かれているペースに従って毎日1時間程度の学習を維持できれば,無理なく100点のスコアアップが達成できるでしょう。
アルクの通信教育は有名著者が監修にあたってくれているのが特徴で,こちらはテッド寺倉氏が監修した良質な教材が魅力です。
興味を持たれた方は是非学んでみてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。