王道を行く英語学習をしている合間に少し変わった方法を取り入れてみることで,毎日の語学生活に変化が生まれます。
TOEIC対策では問題を解いている時間が多くなるものですから,気分転換をするのであれば楽しい勉強法を採用するのがおすすめで,当記事で紹介する「海外スポーツの動画」に興味を引かれる学習者は少なくないでしょう。
また,今回紹介しているサイトは基本無料で利用できるものなので,元が取れるかどうかを気にすることはありません。
無論,面倒くさいユーザー登録もないので,気になるものがあれば是非使ってみてください!
目次
海外スポーツの動画がTOEIC対策に向く理由
ここで言う「海外スポーツの動画」は,野球やバスケットといったプロスポーツに関する動画全般を指すものとし,試合をLIVEで観られるものの他,ちょっとしたインタビューやニュース動画も含みます。
普通,動画を観ることは遊びに分類されてしまうことが多く,これまでの人生においてスポーツ動画を視聴して,先生や親に「勉強していて偉いね」などと褒められた経験はおそらくないでしょう。
しかし,ICTの発達で学習方法は大きく変わりました。
現代はそうした文明の利器のうち,利用できるものはどんどん取り入れていくことが推奨されています。
とはいえ,時代の変化が速すぎるために,何か体系的に「こうするべき」という方針が作られる前にどんどん新しい技術が出てきてしまうこともあって,普通に生活しているだけでは満足のいくアドバイスなど,到底得られそうにありません。
そのため,自らが積極的に試していく姿勢が必要になってくるわけですが,私自身,海外スポーツの動画をネットで視聴し「TOEICの対策として役に立つ」と確信したからこそこうして記事を書いているわけです。
ちなみにこの時の動画の音声は英語にすべきで,ただ聞き流しているだけでもリスニング対策になるかもしれませんが,利用方法についてもう少し掘り下げて考えてみましょう!
スポーツ動画で英語を学ぶ際の心得
「海外のスポーツ」とひとくちに言ってもMLBやNBA,NFLを始め,サッカーやゴルフにボクシングなど種類はさまざまです。
そして,このうち観るべき動画はずばり「自分が興味のあるジャンル」にしてください。
興味があるスポーツであるからこそ,TOEIC学習で問題になりやすいモチベーションの低下を解決することができます。
また,動画内の解説で登場するルールや用語について,日本語で心当たりがあることも多くなるでしょう。
野球だったら「盗塁」とか「振り逃げ」,サッカーでしたら「オフサイド」とか「コーナーキック」などの特有語のことです。
そういった,すでに自分に備わっている知識を頼りにリスニングができるため,まったく知らないスポーツ動画を観るよりも,解説者が話している内容を推測しやすいメリットが生じます。
加えて,好きなジャンルであれば楽しみながら動画を何度も観ることが苦行になりません。
中継途中のインタビューは特に難しいですが,どこか1つでも聴き取れないかと注意深く聞くことで,難しい英文への対応力が身に付きます。
TOEICにおいても長いインタビューの途中で言っていることがわからなくなることもありますが,そんな時であってもリカバリーしやすくなるでしょう。
スポーツでは同じような場面に遭遇することが多く,以前のときと似た英語が使われることも特筆すべきことで,繰り返し観ることで,より深く特定の単語に習熟することが可能になるわけです。
TOEIC対策を考えるとき,特に意識したいのは,配点の半分をリスニングが占めているという事実で,最近は英語4技能が注目されるようになり,大学入試の共通テストではセンター試験のときと異なり,リスニングの配点がリーディングと同じになりました。
TOEICではもともとそうなっているので,それだけリスニングは重要視されているわけですが,リスニングができるようになるとリーディングやスピーキングにも良い影響があるため,総合的な能力値が上がっていくことも嬉しいところです。
例えば,発声した瞬間から音が消えていくのがリスニングですから,耳に入った通りの順番で前から相手の英語を理解していく他に選択肢はなく,それはリーディングの際,前に戻ることなく頭から訳し上げていく「速読の技術」に通じることになります。
そもそも,相手の話を理解することができなければ,スピーキングで自らの意見を言うことはできません。
そのため,なんだかやる気が出ない日こそ,海外スポーツの動画を観ていただけたらと思います。
次章では,実際に動画を使ってどのような勉強法ができるか具体的にみていくことにしましょう!
海外スポーツの動画を使った勉強法
私はバスケットボールが好きなので,その動画を使ってリスニングする方法を紹介してみたいと思いますが,ここでは「espn.com」の動画を例に説明します。
ESPNとは,同名の会社が運営するスポーツ専門のケーブルおよび衛星放送のテレビチャンネルのことで,サイトの上部を見るといくつかジャンルがあることがわかりますが,目につくところでは,以下のようなスポーツ動画が視聴可能です↓
ESPNで観られるスポーツ動画の例
NFL:アメフトリーグ
NBA:プロバスケットボール協会
NCAA:全米大学競技協会
MMA:総合格闘技
MLB:大リーグ野球
これを題材に以下の手順で学んでいきます↓
- 興味がある分野の動画を字幕付きで見る
- 意味がわからないときは翻訳機にかけ音読する
- 学んだ単語を書き残す
- 興味があれば発展的な学びも取り入れる
動画を観る
例えば,上は「NCAAトーナメント女子」のトップ5の名場面を紹介する動画をキャプチャーしたものなのですが,このとき右下にある歯車のマークを押すことで,
- Autoplay(際限なく動画が切り替わる)
- Closed caption(英語字幕を表示できる)
- Caption Settings(文字色やフォントなどの変更)
を個別に設定できます。
このうち,英語字幕が表示できるところは特に重要で,話されている内容を文字で確認することができるため,リスニング学習に非常に適した教材になるわけです。
上の動画に出てきた台詞の一部を書き出してみることにしましょう↓
Number three, the 2018 National Women's Semifinal, it's Notre Dame and UConn. This one. Arike Ogunbowale, household name, Kobe Bryant became a fan. Clutch, clutch. To beat UConn. Here's the call. Oh matter me. This is great.
For a trip to the National Championship, Ogunbowale. Good!! Notre Dame with the win, off to the title game! Then he threw the highlighter. And he hugged Kara Lawson. And he hugged Rebecca Lobo. How was Kara Lawson so calm? Because you know what, she had made a few big shots in her career. Not going to lie. And then in the title game, Ogunbowale not done, contested three.
Seriously. Notre Dame, the national champs in 2018 thanks to Arike Ogunbowale. We had her on the show afterwards. Wow we did. And she like, well, I did it the first time. I thought I could do it the second time.
字幕の内容をほぼそのままに転記したわけですが,約1分間の音源でありながらも中々の情報量です。
とはいえ,英語を字幕にできるといっても,ところどころにミスがあることには注意が必要で,固有名詞や同音の単語が存在するものが挙げられます。
今回だとthrewがthroughと表示されていましたし,また色々な話者の会話が特に区別されずに字幕表示されるので,誰の言葉なのかがやや分かりにくいところもありました。
なので,スポーツ動画を観るにあたっては正確な英文法を学ぶというよりも,内容を大まかに理解することをメイン目的とする方が良いと思います。
動画の意味を理解して音読する
内容は翻訳機にかければすぐに日本語に直してくれますから意味の理解は容易で,その後は発音を真似て音読してみましょう。
以下はGoogle翻訳を使った結果ですが,和訳だけでなく音声も聴くことができて便利です↓
この動画をきっかけに,ネットで検索をしてみれば関連知識を増やすこともできます。
実際,同じ場面の違う動画をYouTubeで見つけることができました↓
サムネになっている女性は次の決勝戦でも優勝を決める3ポイントを放ち,それがブザービーター(試合終了のホイッスルと同時にシュートが入ること)になったのは実に感動的でした。
語彙力を増やす
大きな試合だと,後日,試合を詳細に分析した記事も出るので,それを読むことで理解を深めることができますし,使われている英語はより高度なものです。
どこまで深く学ぶかは本人次第ですが,私は未知の単語について学ぶことは欠かさないようにしており,上の動画を観た後,
- household name:有名人
- be off to:~に出発する
- contested:激戦(接戦)での
をメモに残しています。
実際はこれらをさらに調べあげて,
- A household name refers to someone or something that is known by many people
- I'll be off to the gym after work today.
- contested ground(選挙の争点), highly contested market(競争の激烈な市場), contested takeover(敵対的買収)
といった形になりましたが,1つ目は定義を英英辞典で調べたもの,2つ目は例文,3つ目はコロケーションです。
発展学習をする
このように,1分の動画であっても多くの学びが期待でき,先ほどのYouTubeのチャンネルに出会ったおかげで,たくさんのNCAAの動画を他に観ることもできるようになりました。
このような発展学習はとても有効で,この他,ポッドキャストやスポーツ関連の記事を読むのも良いでしょう。
SNSで呟いている英語圏の人も多いです。
個人的には,その日に学んだことを寝る前などに数分間振り返ってみることが重要で,それが次週からの生産性を上げることにも繋がります。
とはいえ,大切なのは,英語を一定時間楽しんで聴けたという事実です。
同じ時間,TOEIC用の教材を使ってリスニングするのは,精神的に辛いところがあるため,「英語って楽しいなぁ!」と思えれば,それこそ明日以降のやる気に変わります。
海外スポーツ動画のおすすめサイト
海外のスポーツ動画が観られるサイトとしては,今回紹介したESPNの他に,NBC SportsやMLB66が有名です。
NBC Sportsは字幕の表示ができ,長めの動画があり関連記事までたっぷりと読めるので,より上級者向けと言えるでしょうか。
Podcastsもあるため,リスニング素材にも困りません。
たまに動画が表示されないこともありますが,便利に使えています。
そして,MLBをLIVEで観るのであればMLB66というサイトがおすすめで,私はよくここで大谷選手の活躍を観ています。
使い方は簡単で,赤矢印のところから観たい試合を選ぶだけです↓
HomeとAwayの実況を切り分けられるところが面白く,右側からはチャットも見られます。
字幕こそありませんが,インタビューの時間が多いので,英語を聞くことになる時間は意外と長いです。
大谷選手に対してdevastingとかinsaneといった形容詞が使われていたら,早速意味を調べてみましょう。
1日中英語漬けになる方法で述べたような過ごし方も,たまには良いものですよ!
まとめ
以上,海外スポーツの動画を利用して,TOEIC対策を行う方法についていくつかまとめてきました。
リスニングだけに限らず,発展学習でリーディング対策にもなり,結構な学びができることがわかっていただけたのではないでしょうか。
毎日こういったサイトを観ろというわけではありませんが,普段TOEICの勉強をしていて,ちょっと時間が余ったときや精神的に疲れてしまった際には,軽い気持ちでスポーツ動画を観てほしいと思うわけです。
楽しい気持ちになりますし,選手がスポーツに向き合う姿勢から,頑張ろうという気持ちが芽生えてきます。
知らず知らずにより長時間リスニングしていることも多く,ナチュラルスピードの英語に慣れることにもなるはずです。
こういった動画で耳慣らしをしてからTOEICのリスニング音源をあらためて聞いてみると,何だかゆっくり聞こえてくるように感じてきませんか。
最初こそサイトの使い方に戸惑うかもしれませんが,使いながら慣れてもらい,TOEIC対策の1つとして採用していただけたらと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。