今回はTOEIC Bridge TestsからListening&Readingの出題内容についてみていきたいと思います。
本番で一体どのような問題を解くことになるのかを前もって知っておくことで,試験会場で落ち着いて受けられるようになりますし,そもそも,このBridge L&Rはわざわざ時間を取って対策する価値のあるテストであるかどうかを知りたい方もいらっしゃるでしょう。
初心者の方はもちろん,通常のTOEIC TESTを受ける前の準備段階として本テストを受ける方にも,当記事の内容は役立つことと思います。
Bridge L&Rをどう解くかという,攻略法めいたものも手順として紹介しているので,そちらも併せてどうぞ!
TOEIC Bridge L&Rの問題構成
まずはTOEIC Bridge L&Rテストの問題構成についてみていきましょう。
テスト形式はマークシート方式で,問題数はListeningもReadingも50問ずつの計100問です。
これをListeningは約25分,Readingは35分で終わらせます。
スコアはどちらも最低点が15点,最高点が50点で出てきますが,通常のTOEICは問題数が100問ずつの計200問で,Listeningが約45分のReadingが75分というボリュームなので,大体半分くらいの量だと理解しておきましょう。
通しで全部やっても一時間くらいで終わるわけなので,一気にやろうと思ったときの精神的なハードルはそれほど高くないです(参考までに,2時間ぶっ通しで勉強すると,誰でもひどく疲れを感じるはずで,2度とやりたくないなというネガティブな気持ちも強くなってしまうものです)。
また,通常のTOEICと同じ数のパート(似たような問題をまとめた区切りみたいなもの)に分けることができ,問題内容も結構似ているので,まさにその名の通り,通常のTOEICに挑む前の橋渡しとして使うことをおすすめします。
さらに,Bridgeテストに登場する英語は「日常生活全般」ということで,ビジネス英語が中心とはなっていません。
特に社会人経験のない方であれば,部下がとか,ミーティングがとか言われてもピンと来ないでしょう。
その点,Bridge試験の対策を通して培った英語の知識というのは,より広範囲で役立つことになります。
決して,努力が無駄になるテストではありませんので,安心して勉強に励んでください。
それでは早速,次章から,TOEIC Bridgeの問題内容とその攻略法について具体的にみていくことにしましょう!
なお,各問題のイメージを助けるものとして,TOEICの公式サイトにあるサンプル問題を一部使用しています。
ぜひとも公式サイトを訪れては実際に問題を解きながら本記事を読むか,公式から出ている参考書の購入を検討してみてください↓
ちなみに,上に示したサンプル問題は,レビューした公式ガイドブックの「問題形式の紹介」のところで登場する問題と全く同じなので,詳しい解説を読みたい方はそちらを購入すると良いでしょう。
ただし,ワークブックとは異なり,S&Wの問題セットも付いてくるので,対策はL&Rだけで良いという方はワークブックがおすすめとなります。
TOEIC Bridgeのリスニング問題の内容と解き方
それではTOEIC BridgeのListeningの問題内容と解き方についてみていくことにしますが,パートの数は全部で4つです↓
リスニングパートの構成
Part 1:画像選択問題が6問
Part 2:応答問題が20問
Part 3:会話問題が10問(5題)
Part 4:説明文問題が14問(7題)
以下で1つずつ解説していきます。
Part 1
リスニング問題のPart 1ですが,「画像選択問題」と呼ばれるタイプの問題です。
4つの画像がセットで提示されてくるので,リスニングした内容に最も近い画像を選んでください。
ちなみに,上の問題で流れた音声は,
"A man wearing headphones."
でしたが,このようにフレーズの形(句と呼ばれる,完璧な文でない形)で読み上げられるとも限らず,英文である場合もあります。
なお,リスニングパートすべての問題に当てはまりますが,音声は繰り返されず,1度しか読まれません。
Part 1の解き方ですが,
- 4つの画像を確認する
- キーワードを思い浮かべる
- 音声を聴く
- 答えをマークする
という順番通りやってみてください。
あらかじめ画像を眺めておくことで,この後に読まれるであろうキーワードが予想できます。
例えば,上の画像をみた場合だと,manやwoman,そして,phoneやhatやheadphoneといったキーワードが浮かぶので,それらを期待しながら音声を聴く(待ち受ける)ことができるはずです。
manが聞き取れただけでも,女性が写っている写真は除かれてAかDの2択にできるわけで,正解の確率は25%から50%へと倍になります。
余裕があれば,人数や動作内容についても理解しておきたいところですが,例えばDをみてListening musicが流れるのではないかと予想したところで,実際の音声はwearing headphonesであるわけなので,予想が当たらないこともあることも頭の片隅に留めておきましょう。
予想外のことが起きた時には,柔軟に対応することが大切です。
なお,通常のTOEICのPart 1だと,1つの画像をみて,読みあげられる4つの音声から正しいものを選ぶという問題形式になるので,音声の数と画像の数がBridgeのものとは真逆になっています。
Part 2
続いて,TOEIC BridgeのListening Part 2の問題をみていきますが,これは通常のTOEICのPart 2と同じ「応答問題」です。
質問(または発言)を聞き取って,それに対する応答として適切な内容を4つの選択肢から選ぶことになります。
ただし,設問文がどれも"Mark your answer on your answer sheet"となっているように,質問部分は印刷されていません。
音声を聴く前に選択肢をみたとしても,どのような質問が来るか予想するのは難しいので,ここは音声を聴くことに専念するようにしてください。
例えば,上記画像で示した7番の問題の選択肢をみても,Aが早さ,Bが年齢,Cが距離,Dが色となっていて,一体どのような質問が読まれるのか見当もつかないでしょう。
まとめると,おすすめの解き方は,
- 音声を聴く
- 選択肢を読む
- 正解を選ぶ
という手順になります。
音声を聴く際は,文頭がどのような単語で始まっていたかに注意してください。
実際,7番の問題は"What color ~"で始まっていたので,この2語さえ聞き取れれば正解にたどり着けます。
ただし,疑問文の形ではない発言(いわゆる普通の文)が流れた場合は難問の可能性ありで,そのときは,話し手の意図を考えなければなりません。
例えば「私は帰ります」といった発言が流れて,「私も一緒に出ます」が答えになったりするわけです。
もう1つの注意点ですが,このPart 2の問題数は20問と多めなので,1つ前の問題がわからなかったなどと気持ちを切り替えられずにいると,正解できるはずの問題も連続して間違えてしまうことがあるので気を付けましょう。
Part 3
TOEIC BridgeのPart 3は「会話問題」です。
通常のTOEICでは3人以上の会話も含まれるのですが,Bridgeの場合,2人に限定されます。
全部で5つの会話を聞くことになるわけですが,1つの会話につき,2つの質問があるため,問題数は全10問です。
会話のうち2つは図や表が登場する問題となり,その場合,特に「先読み」と呼ばれるテクニックが有効だとされます。
先読みする方法ですが,Part 3は質問文があらかじめ印刷されているため,どのようなことが問われることになるのかを前もって知ることができ,それがPart 2とは大きく異なる点です。
例えば上の27番で男性が登場することがわかりますが,学校に関する話が始まることや,彼は先生か生徒であることが予想できるでしょう。
実際の手順は以下の通りとなります↓
- 質問や図表を先読みする
- 会話を聴く
- 選択肢を読む
- 正解を選ぶ
先読みする際に選択肢にまで目を通す余裕はないと思うので,欲張らないことが大切です。
加えて,問題によっては先読みが間に合わないこともあると思うので,先読みも絶対しなければならないわけではありません。
1つ前の問題を簡単に解き終わって,次の音声が流れるまでに時間が残っている場合にのみ,先読みを行うようにすると良いでしょう。
Part 4
上の問題を見た限り,Part 3との違いが分かりづらいかと思われますが,TOEIC BridgeのPart 4は1人が話すという点が異なります。
内容は施設の案内だったり電話の録音を聞いたりすることになり,トークの数は7つに増えるものの,各トークに2つの質問があることと,2つのトークに図表が含まれるところはPart 3のときと同様です。
参考までに,通常のTOEICのPart 4についても言及しておきますが,似た形式ではあるものの,1つのトークにつき3つの質問があります。
それに伴って,聞くことになる音声も長くなるというわけです。
さて,このBridgeのPart 4の攻略法ですが,こちらも質問部分が印刷されているので,先読みをしましょう!
上の例ですと,場所と紛失物の2つに注意して聞けばよいことがわかるはずです。
その他の手順はPart 3のときと同じになります↓
- 設問文や図表を先読みする
- 音声を聴く
- 選択肢を読む
- 解答を決める
Part 3のところで言い忘れましたが,Part 3と4のどちらにおいても選択肢は読み上げられません(質問文のみが読み上げられます)。
TOEIC Bridgeのリーディング問題の内容と解き方
ここからは読解問題についてみていきましょう!
TOEIC Bridgeのリーディングセクションはリスニングのときと異なり,時間配分が人によってまちまちになります。
適当にマークするのは最終手段となりますが,わからないものに時間をかけても良いことはありません。
そういった見極めについて,本番前に練習しておきましょう。
問題の形式自体は通常のものと似ていますが,通常のTOEICではPart 5~7となっているところが,Bridgeの場合はPart 1~3となります↓
リーディングパートの構成
Part 1:短文穴埋め問題が15問
Part 2:長文穴埋め問題が15問(5題)
Part 3:読解問題が20問(8題)
Part 1
TOEIC BridgeのPart 1は穴埋め問題になっていて,上の例ですと,動詞の意味に注目して使い分けられるかどうかが問われています。
Keep on …ingという語法は有名ですが,前置詞の後ろがthe grassと名詞になっているので,ここでは使えません。
on the grassで「芝生の上を」と訳すことができれば,Cを選ぶことができるでしょう。
Part 1では,このように語彙の知識が問われるものの他,文法の知識が問われるものの2種類があります。
攻略の手順としては,
- 英文を最初から最後まで読む
- 選択肢から文法か語彙問題なのか判断する
- 時間を気にしながら答えを選ぶ
となりますが,知識がなければ手順の3で正しい答えを選ぶことができないはずです。
その場合,どれだけ時間をかけて悩んだところで自信を持って答えられないわけですから,その問題は諦めて(これだと思ったものにパッとマークするようにして),すぐさま次の問題に進むことをおすすめします。
時間はこの後のPart 2や3のためにできるだけ残しておきましょう。
Part 2
TOEICのリーディングセクションのPart 2では長文の穴埋めをします。
穴埋め作業自体はPart 1と似ていますが,穴埋めの数にして3つもある文章を対象とするため,より,文脈を把握する力が求められることになるわけです。
文章は5題で計15問を解くことになり,通常のTOEICのPart 6のときと違い,量が少ないとは感じないでしょう(通常のものだと,Part 5が30問,Part 6は16問,Part 7が54問という配分になります)。
そのため,BridgeのPart 1に引き続き,文法知識や語彙力に不足がある場合はより多く失点してしまうはずですが,文法に自信がなくても文脈問題は解けるはずです(とはいえ,簡単ではないので,できなくても絶望しないでください)。
Part 3もそうですが,時間は文章の意味を把握するために使います。
Part 2を解く手順は以下の通りです↓
- 空所を気にせず文章を全部読む
- 選択肢から文法か語彙か文脈問題なのかを判断する
- 時間を気にしながら答えを選ぶ
まずは全体の流れを把握しましょう。
次に問題のタイプを分析しますが,語彙や文脈問題は時間をかければ解ける問題が多いです。
手順の1で文章全体の意味が把握できなかったというのであれば話は別ですが,そうでなければ時間をかけて正解を狙うようにしましょう。
逆に,知識がないと解けない文法問題であれば,Part 1のときと同様,時間をかけないことが大切です。
Part 3
TOEIC Bridge ReadingのPart 3は8つの文書に対して2~3問が付いてきます(計20問になります)。
上に示したようなお知らせの他,手紙だったり,テキストメッセージ(チャットみたいなもの)だったりしますが,特に,最後のテキストメッセージにおけるやり取りにおいて,返答として相応しいものを選ばせる問題が2問あるのが特徴的です。
それらの問題は文脈を正しく把握できていないと正解できないのですが,通常のTOEICと比べると,読む量がそこまで多いわけではなく,Part 2のように文の途中に空所があるわけでもないため,流れは把握しやすいでしょう。
とはいえ,先に進めば進むほど,問題の数が増えて読む量も増えることになり,具体的な数字で示すと,最初は20語くらいだったものが,最後の方では100語くらいになります。
そのため,Part 3は決して簡単ではないのですが,時間をかければ解ける問題が多いことは確かです。
リーディングパートの1と2で節約してきた時間は,このパートにこそ費やすことといたしましょう!
解く手順は以下の通りとなります↓
- 文書を全部読んで内容を把握する
- 設問文を読む
- 正しい選択肢を選ぶ
通常のTOEICのPart 7では,時間を節約するため,最初に設問文を読む人も多いのですが,TOEIC Bridgeにおいては文脈を先に理解してから設問文を読んだところで,時間的に大きく得をすることは少ないです。
Part 3で時間が足りなくなる場合に,解き方に問題があると考えるのは間違っています。
そのための対策としては,Part 1と2に役立つ文法力や語彙力を鍛えるか,読むスピードを速くする練習を積むようにしてください。
まとめ
以上,TOEIC BridgeにおけるListeningとReadingセクションの問題内容と解き方を中心にみてきました。
リスニングの方は,音声が流れる時間は決まっているのでそれに従いますが,リーディングの方は自分で時間配分を変えられます。
当サイトのおすすめは以下の通りです↓
リーディングの時間配分
Part 1:5分以下
Part 2:9分以下
Part 3:21分以上
問題の形式自体は通常のTOEICと似ていましたが,文章内容は日常的なものばかりで,これらの問題を解けるようになることは,どの分野にも通じる英語力の育成に役立つものだと言えるでしょう。
Listeningでこそ「先読み」というテクニック的なものを紹介しましたが,基本的には,小手先のテクニックよりも英語の実力を伸ばすことでスコアが上がる良いテストになっているので,普段の実力試しとして,または通常のTOEICの準備段階として受けてみてください。
特に,そのまま通常のTOEICを受ける場合には,問題の形式が似ていることもあって,TOEIC Bridgeの経験が生きる場面は多々あるはずです。
いきなり,通常のTOEICを受けても最後まで解き終えられずに終了になってしまうようであれば,その精神的なダメージは大きなものになります。
その点,Bridgeであれば,自分ができるようになっている感覚も味わいやすいでしょう。
最終的には高みを目指すにせよ,千里の道も一歩からです。
頑張ってください!