今回は,TOEICの全パートの演習が可能かつ完全に無料で使えるTOEICアプリであるLife BC社の「TOEIC Test」についてレビューの方してみたいと思います。
TOEIC対策アプリにおいては,読解問題の対策に難があるものが特に多いのですが,こちらはすべて揃っているところがおすすめです。
無料である性質上,どこかしらに弱点があるのが常ですが,使用目的を絞ることでその弱点が問題にならないこともあるので,ぜひ今回のレビューを参考にしていただけたらと思います。
目次
Life BC社の「TOEIC Test」とは
名称:TOEIC Test, TOEIC Practice-TOEIC Listening
提供:Life BC
料金:完全無料
DL:Android版のみ
内容:TOEICテストのPart1~7に似た形式の問題を解くことができるTOEIC対策アプリ。問題量もなかなかで,数千問の演習問題がある。問題はダウンロードをが必要だが,その分外出時にオフラインモードで使用することが可能。操作も特に複雑な部分はなく使いやすい。課金要素がないので,とりあえずTOEICの問題がどんなものなのか知りたい場合に特におすすめ。
これからこのTOEIC Test というアプリのレビューを見ていきますが,3万件以上のダウンロードがあり,評判の良いアプリです。
2019年11月に最近のアップデートがあり,無料にもかかわらず不具合などには気を配っている印象があります。
何より,TOEICの全パートの問題が無料で解けるというのはとても良いことですし,Wi-Fi環境で問題をダウンロードしておけば外出時に不本意なデータ使用が発生しないというのも安心だと思いました。
とはいえiOS版がなくAndroidのみの展開というところがiPhoneユーザーには残念なところで,さらにはスタディサプリのような有料のTOEIC対策アプリと比べてしまうといくつか不便なところもあるのは確かです。
ゆえに,各自の使用目的によって評価は変わってくるのは事実でしょう。
アプリの評判
この記事を書いている2020年5月現在で5841件のレビューが寄せられており,そのほとんどが高評価な上,この2年間で約4000件のレビューが増えたというのも,多くの方に興味を持たれた証拠となります(ずっと星4.7程度の評価を受けている優良アプリです)。
それでは例のごとくユーザーのレビューから,本アプリの良い点と悪いところをまとめてみましょう。
良い口コミ
- 全パートの問題がダウンロードできるのが驚き
- 問題量が充実している
- リスニングで全文が表示確認でき,Google翻訳と連動もしている
- 難しくなく使いやすい
無料アプリだということで,最初は期待せずに使ってみたのですが,まさかの全パート対応だったのと問題量の豊富さに驚きました。
ダウンロードは問題ごとに行え,メニューの「ダウンロードマネージャー」から個別にデータ削除をすることもできるので便利です。
なんで課金要素なしに提供できるのか考えてみましたが,英文の解説を省いて訳はAI(Google翻訳)に任せきりにしているところと広告表示による収益化が期待できるからだと思われます。
とりあえず,TOEIC受けることになったけど,普段の実力で勝負できれば十分だし,とりあえず試験形式だけなんとなく解いておけばいいやというモチベーションの受験者にはピッタリではないでしょうか(全員が全員,完璧な教材で完璧な対策を望んでいるわけでもありませんからね)。
悪い口コミ
- 解説がない
- 1問1問解答チェックができない
- 音質がいまいち
- 読解をスマホでのみやるのは辛い
- 広告が邪魔
逆にマイナス点として,解説が用意されていないところには注意が必要です。
「正解の選択肢さえわかれば,自分の知識から正解への根拠づけがしっかりできるよ。」という方でもなければ,とりあえず丸付けまでがしっかりできるアプリだと考えてください。
広告は全画面表示されることがあり,気になる人には気になるでしょう。
私も音が出てくる広告には困らされました。
加えて,使い勝手の面では有料アプリにはかないません。
アプリの使い方
アプリを開くと以下のような画面が表示されてきました。
ここに表示されている7つの項目は,実際のTOEICにおけるパートに対応しています(例えば,最初のPhotographsはPart1対策,次のQuestion and ResponseはPart2対策といった具合になります)。
この中から自分が挑戦してみたいところの問題を選んで解くことが可能です。
それでは各項目ごとの使い方についてみていくことにしましょう。
Part1対策
「Photographs」にあるコンテンツをクリックするとダウンロードが始まりますが,特に時間はかかりません。
全部で25個のダウンロード素材があり,その一つ一つに8~10問の問題が入っています。
音質は確かにスタジオ録音のものと比べて劣りますが,悪いとは思いませんし,良い音質で勉強したからといってより聞き取れるようになるといったわけでもないので,そこまで問題にはならないでしょう。
各問題1回ずつ読まれ,フリックでページをめくってやっていきます。
途中で音声を止めることもできますが,左上部の計測時間は刻一刻と流れ続けます(最初から最後まで一気にやるというのが,このアプリの基本姿勢となります)。
最後まで解ききり答えを提出すると,即座に正誤表が表示されます↓↓
間違えた問題はこのようにバツが付き,英文をタップすることで,日本語訳や発音などを別に確認することもできるのは意外と知られていない機能かと思います(利用するにはGoogle翻訳のアプリもインストールしておく必要があります)↓↓
とはいえ,解き方であったり,どうしてその答えになるのかといった解説はありません。
Part2対策
Part2対策は「Question and Response」と呼ばれる項目で可能です。
音声を聞いて答えを選ぶだけの形式ですが,全部で問題セットは20あり,各セットに30問が含まれます。
全部で600問ですね。
こちらもPart1と同様,問題を一気に解いて,本文と選択肢を確認するという流れになります。
大体1セット10分程度かかりましたので4時間もあれば全部やれるので,速習にも良いのではないでしょうか。
Part3対策
「Conversations」という項目でPart3の対策を行います。
こちらは15セットで各30問,つまり計450問が用意されていました。
問題の本文は以下のように表示され,しっかりと音声と聴き比べながら確認できるのも良かったです↓↓
心なしか音声はこれまでのものよりクリアに聞こえるものが多かったように思いました。
本Partの攻略法としては,時間管理こそが大切で,問題の先読みをしておくことこそが高得点のポイントだとされています。
高スコアを保有する人の中で者このテクニックを使わない方はいないでしょう。
しかし,そのような知識は本アプリから得ることはできませんので,点数にこだわる方は有料のスタディサプリTOEICなどを使って各パート別攻略法を学ぶのがやはりおすすめです。
Part4対策
Part4は「Short Talks」と呼ばれるコンテンツで,画面構成はPart3とほぼ同じです。
全部で15セット,各30問の450題の用意があります。
本パートの特徴として,一つのテーマについて長々と論じられるため,Part3の会話とは異なるだけでなく時間が15分程度かかるので,自宅などで腰を落ち着けてやる必要がある点には注意が必要でしょう。
なお,この問題でもGoogle翻訳は利用可能です↓↓
ですが,さすがにこの長さの文章ともなると,自動翻訳は辛くなってきますね…
やや不自然な日本語が目立ってきたのが確認できるでしょう。
もちろんフィーリングで何を言っているのかはわかりますので,ちょっとした確認にのみ使うこととなります。
Part5対策
Part5は文法問題です。
「Incomplete Sentences」というコンテンツから対策をしましょう。
大体一セット25分で解きます(制限時間については,アプリ内の設定で変更することが可能です)が,30セットで各40問の計1200問は圧巻のボリュームです。
ただし,真に英語力を上げたければ,間違った問題がどうしてダメだったのか根拠を説明できなければなりません。
ですが,Google翻訳ではそれを行うことができないので注意してください↓↓
大体この次の画面で全画面広告が表示されますが,私の押し方が悪かったのか折角提出した答案のデータが消えてしまい,どこが間違っていたのかわからなくなってしまうこともありました。
Part6対策
次は「Text Completion」をやってみましょう。
こちらは20セットで,各12問が用意されていますので計240問です。
デフォルトの制限時間は8分に設定されています(メニューにある「設定」から,Part5~7の制限時間は変更可能です)。
各英文につき3問あるので,1回のセットで読むことになる英文は4つ。
なお,英文読解に関しては,Google翻訳を読んでもあまり参考になりません。
例えば,上の問題の答えであるrenewedの翻訳は「リニューアル」ですが,この文章では「(一度解約した購読を)再び開始する」の意味がわからないと解けないでしょう。
もちろんGoogle翻訳が素晴らしいサービスであることに疑いはありませんが,TOEICの読解には向かなさそうだと感じました。
Part7対策
最後は,長文問題である「Reading」について見ていきましょう。
こちらは全部で10セットあり,各セットに48問が含まれているので,問題数にしてみると480題になり,こちらも少なくない量です。
各セットの制限時間はデフォルトで60分ということで,さすがにこれをスマホでやるのは大変になってきます。
挑戦するたびに問題の順番が変わったりはしないので,一部分だけやって答えを提出してしまって答え合わせをする使い方をしていますが,それでもなかなかの集中力を必要とするのは事実ですね。
Part7では上記のようなシングルパッセージ(1つの英文に2,3個の質問)とマルティプルパッセージ(2つ3つの英文に4,5個の質問)がありますが,その点については抜かりなくしっかり用意されていました↓↓
まとめ
以上,Life BC社の「TOEIC Test」というアプリのレビューでしたがいかがだったでしょうか。
Androidのみの対応ということで早速ユーザーを選びますが,無料で全パートの対策が沢山できるのはよかったと思います。
特にリスニングセクションにおいては十分な対策ができるように感じました。
逆に読解問題においては,「どうしてその答えになるのか」についての説明がないのが残念で,単に自分の実力を知ったり問題慣れするにはいいですが,このTOEICアプリで読解力を上昇させることはできません。
トータルスコアも表示されないので,本番でどのくらい点数が取れるのかはすぐにはわからないでしょう。
加えて,先述したような先読みテクニックや「Part7は後ろから解いていくのも手だ」といった具合の,攻略法に対する解説はありませんので,本アプリで学べることだけがTOEIC対策のすべてだとは思わないでください。
上のスコアを目指すにはしっかりとした教材を使いましょう。
今回の「TOEIC Test」の特徴は,
- TOEICの問題に慣れたい方
- 解説は読まずとも正解がわかればよい中上級者の方
- とにかく無料で対策したい方
に向いています。
最後までお読みいただき,ありがとうございました。